この本では、日本道路公団の民営化に関して、詳細なデータをもとに論じています。特に、道路関係四公団民営化推進委員会の調査審議で話題となった、四公団にかわる組織形態を上下一体とするか上下分離とするのかについても、それぞれの案について論じているため、分かりやすく理解できます。道路関係四公団民営化推進委員会の「意見書」とは異なる案についても論じているため、同委員会の結果を評価するための材料になると思います。
読み物というより、先般から話題になっている道路公団の民営化問題について考えるための基礎的な資料と割り切って読むべき本です。具体的な試算に基づいて、独自の道路公団民営化プランを提案。なぜ、民営化が必要なのかなどの疑問にも明快に答えています。資料や試算値が多いため、読むのにはやや苦労しますが、巻末の用語集もよくまとめられていると思います。民営化問題をより詳しく知るためには、猪瀬直樹氏の「日本国の研究」なども並行して読まれることをお勧めします。
現在、道路公団については、マスコミなどで、いろんな意見が登場しています。しかしながら、これらの議論を聞く前に、実態がどうなっているのか理解することが重要となります。誰の意見が正しいのか、冷静な判断ができないからです。本著は、シミュレーションデータなどが掲載されていて理解が難しい部分もありますが著者から、その部分はとばしていいように指示がでており、ポイントを簡単に理解したいという方にもわかりやすく読み進めることができるようになっています。本著を通じ、道路公団の問題点とは何か実態を正しく把握し、マスコミ等から伝わってくる情報の正否を個人個人が正しく判断して頂きたいと考えます。